キャッシュレス決済端末導入の完全ロードマップ
エアペイは幅広い決済対応と安定性を重視する店舗向け、楽天ペイは楽天エコシステムの活用と決済手数料の安さを重視する店舗向け。2025年からは両社とも中小事業者向けの手数料引き下げキャンペーンを実施し、競争が激化している。
はじめに:キャッシュレス決済の重要性
現代の店舗経営において、キャッシュレス決済の導入は「あったら良い」から「必須」の時代へと変化しています。総務省の「令和5年版 情報通信白書」によると、キャッシュレス決済の普及は2022年末時点で40%を超えました。特に2025年に入り、訪日外国人旅行者数は過去最高を記録しており、インバウンド需要の取り込みも重要な要素となっています。
本記事では、業界をリードする二大サービス「エアペイ(Airペイ)」と「楽天ペイ」を徹底比較し、あなたの店舗に最適な選択肢を見つけるお手伝いをします。
エアペイ(Airペイ)とは?
サービス概要
エアペイはリクルートライフスタイルが運営するお店の決済サービスです。iPhoneやiPadがあれば簡単に導入することができ、また、エアペイは「Airレジ」と連携することができます。
主な特徴
対応決済の豊富さ
VISAやMasterCared、JCBなど7ブランドのクレジットカードだけでなく、PayPayやLINE Pay、d払いなどのQRコード決済、SuicaやPasmoなどの交通系電子マネー、Apple PayやQUICPay、iDなどに対応しており、対応サービスが非常に豊富です。
安定したサポート体制
リクルートの大手企業としての信頼性と、Airペイの問い合わせ方法は電話だけでなく、あらゆる問い合わせ方法がございます充実したサポート体制が特徴です。
楽天ペイとは?
サービス概要
楽天ペイとは、楽天グループが提供する電子決済サービスです。楽天IDを使ってオンライン決済が行えるほか、楽天ポイントの獲得や利用も可能な支払い方法です。
主な特徴
楽天エコシステムとの連携
楽天ペイは事業者側に一定の手数料が発生しますが、それでも導入するメリットがあります。事業者が楽天ペイを導入するメリットとして、楽天ユーザーの集客が狙えることが挙げられます。
2025年の新プラン導入
楽天ペイメント株式会社は、キャッシュレス決済サービス「楽天ペイ」実店舗決済において、中小事業者を対象に、キャッシュレス決済サービス「楽天ペイ」およびクレジットカードの決済手数料率を、2.20%に引き下げる最強プランを本日から開始することをお知らせします。
決済手数料の詳細比較
エアペイの料金体系
決済方法 | 通常手数料 | ディスカウントプログラム適用時 |
---|---|---|
クレジットカード | 3.24% | 2.48% |
Visa, Mastercard, JCB | 3.24% | 2.48% |
American Express | 3.24% | 2.48% |
Diners Club | 3.24% | 2.48% |
Discover | 3.24% | 2.48% |
UnionPay(銀聯) | 3.24% | 対象外 |
電子マネー | ||
交通系(Suica等) | 3.24% | 3.24% |
iD, QUICPay | 3.24% | 3.24% |
QRコード決済 | ||
PayPay, d払い | 3.24% | 3.24% |
楽天ペイ | 3.24% | 3.24% |
COIN+ | 1.08% | 1.08% |
ブランド毎のプログラム適用条件を満たす場合に、Visa、Mastercard®、JCB、American Express、Diners Club、Discoverの手数料率が2.48%となります。
楽天ペイの料金体系
プラン | 月額費用 | 楽天ペイ決済 | クレジットカード | その他QR決済 | 電子マネー |
---|---|---|---|---|---|
最強プラン(スタンダード) | 2,200円 | 2.20% | 2.20% | 3.24% | 2.95%~3.24% |
ライトプラン | 無料 | 2.48% | 2.48% | 3.24% | 2.95%~3.24% |
標準プラン | 無料 | 3.24% | 3.24% | 3.24% | 2.95%~3.24% |
スタンダードプランは、「楽天ペイ」とクレジットカード決済(Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover)の決済手数料率を3.24%から2.20%に引き下げる。
スタンダードプラン月額0円キャンペーンのご利用で2025年12月分まで月額費用が0円になります。
初期費用・月額費用の比較
エアペイ
初期費用
- カードリーダー:通常20,167円(税込)→ 0円スタートキャンペーン適用で無料
- iPad/iPhone:自己負担(キャンペーン時は無料貸与)
月額費用
- 完全無料
その他費用
- 振込手数料:全銀行無料
- 解約金:なし
楽天ペイ
初期費用
- 楽天ペイ カードリーダー:通常19,800円 → 0円導入キャンペーン適用で無料
- 楽天ペイ ターミナル:通常38,200円 → 0円導入キャンペーン適用で無料
月額費用
- 標準・ライトプラン:無料
- スタンダードプラン:2,200円(2025年12月まで無料キャンペーン)
その他費用
- 振込手数料:楽天銀行は無料、その他銀行は330円/回
- 解約金:なし
対応決済ブランドの比較
カード決済
ブランド | エアペイ | 楽天ペイ |
---|---|---|
Visa | ✅ | ✅ |
Mastercard | ✅ | ✅ |
JCB | ✅ | ✅ |
American Express | ✅ | ✅ |
Diners Club | ✅ | ✅ |
Discover | ✅ | ✅ |
UnionPay(銀聯) | ✅ | ❌ |
AirペイではUnionPay(銀聯)による決済にも対応していますが、楽天ペイでは対応していません。中国系の顧客が多い店舗では、エアペイの方が有利です。
QRコード決済
ブランド | エアペイ | 楽天ペイ |
---|---|---|
PayPay | ✅ | ❌ |
d払い | ✅ | ❌ |
楽天ペイ | ✅ | ✅ |
au PAY | ✅ | ✅ |
メルペイ | ✅ | ❌ |
LINE Pay | ✅ | ❌ |
QRコード決済への対応は『Airペイ(エアペイ)』の方が多く、全50種以上に対応しています。特に主要なPayPayとd払いに対応していない楽天ペイは、QRコード決済重視の店舗には不利です。
電子マネー
ブランド | エアペイ | 楽天ペイ |
---|---|---|
楽天Edy | ❌ | ✅ |
nanaco | ❌ | ✅ |
WAON | ❌ | ✅ |
交通系IC | ✅ | ✅ |
iD | ✅ | ✅ |
QUICPay | ✅ | ✅ |
エアペイはnanaco・WAON・楽天Edyに非対応ですが、ステラパックと楽天ペイは対応可能です。電子マネー決済を重視する店舗では楽天ペイが有利です。
入金サイクル・入金手数料の比較
エアペイ
入金サイクル
- みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行:月最大6回
- その他銀行:月3回
- QRコード決済:月1回
入金手数料
- 全銀行無料
楽天ペイ
入金サイクル
- 最短翌日入金
- 楽天銀行:毎日入金可能
- その他銀行:週1回または月1回
入金手数料
- 楽天銀行:無料
- その他銀行:330円/回
楽天ペイとSquareは指定の金融機関であれば毎日入金できるので、毎日入金したい!という方はそちらの決済サービスを利用したほうがいいでしょう。
審査・導入スピードの比較
エアペイ
審査期間
- 約10日~2週間
- エアペイは使用できるようになるまでの審査期間が楽天ペイなどと比べて長く、導入に時間がかかるという声があります
導入までの流れ
- オンライン申込み
- 審査(約10-14日)
- カードリーダー発送
- 初期設定・利用開始
楽天ペイ
審査期間
- 約1週間~10日
- 楽天グループの審査ノウハウを活用した迅速対応
導入までの流れ
- オンライン申込み
- 審査(約7-10日)
- 端末発送
- 初期設定・利用開始
サポート体制の比較
エアペイ
問い合わせ方法
- 電話サポート:通話料無料
- メールサポート
- チャットサポート
- FAQサイト
サポート時間
- 平日・土日祝:10:00-19:00
Airペイの問い合わせ方法は電話だけでなく、あらゆる問い合わせ方法がございます。
楽天ペイ
問い合わせ方法
- 電話サポート:ナビダイヤル(有料)
- メールサポート
- FAQサイト
サポート時間
- 楽天ペイのサポートセンターは、9:30から23:00まで、土日祝日も対応しています
共にサポート時間は同じとなります。違いはAirペイが通話料金が無料に対して、楽天ペイでは、ナビダイヤルとなっており、通話料金は有料となります。
特徴的な機能・サービス
エアペイの独自機能
Airレジとの連携
- 無料POSレジアプリとの完全連携
- 在庫管理・売上分析機能
- 顧客管理機能
幅広いQRコード決済対応
- 50種類以上のQRコード決済に対応
- インバウンド向けAlipay+対応
UnionPay(銀聯)対応
- 銀聯カード(Union Pay)は、中国本土を中心に全世界で70億枚以上発行されており、中国人観光客をターゲットとする事業者は対応しておきたい決済ブランドです
楽天ペイの独自機能
楽天ポイント連携
- 楽天ペイ ターミナルなら、共通ポイントサービスの楽天ポイントカードパートナーになることできます。楽天の多彩なサービスで貯めたポイントを使えるお店となり、集客効果が見込めます
楽天エコシステム活用
- 楽天市場との連携
- 楽天会員へのマーケティング機会
高性能ターミナル
- 4G回線内蔵のオールインワン端末
- レシートプリンター内蔵
利用者の評判・口コミ
エアペイの口コミ
良い評価 初期設定も設置も特に難しくない。簡単に接続は可能です。設置に関してはiPadがあれば置くだけ、カードリーダーもBluetoothなのでコードがある訳では無いので場所も取りません。レシート設定も簡単で、店舗のロゴの印字の設定や、一言付ける事もすぐに設定ができる。
気になる点
- 審査期間がやや長い
- iPad/iPhoneが必要(Android非対応)
楽天ペイの口コミ
良い評価
- 楽天ユーザーの集客効果
- 最短翌日入金の資金繰り改善
- 4G回線内蔵端末の利便性
気になる点
- 楽天銀行以外の振込手数料
- PayPay・d払い非対応
業種別おすすめパターン
エアペイがおすすめの業種・店舗
✅ こんな店舗におすすめ
- 幅広い決済手段に対応したい店舗
- 中国系顧客が多い店舗(UnionPay対応)
- PayPay・d払いの利用が多い店舗
- 安定したサポートを重視する店舗
- Airレジを使用予定の店舗
具体的な業種例
- 小売店・雑貨店
- 美容院・エステサロン
- 観光地の店舗
- イベント・催事販売
楽天ペイがおすすめの業種・店舗
✅ こんな店舗におすすめ
- 決済手数料を最安で利用したい店舗
- 楽天ポイント連携で集客したい店舗
- 電子マネー決済が多い店舗
- 資金繰りを重視する店舗(翌日入金)
- 楽天銀行を利用している店舗
具体的な業種例
- 飲食店・カフェ
- コンビニ・小規模小売店
- ネットショップの実店舗展開
- 楽天ユーザーが多い地域の店舗
2025年最新キャンペーン情報
エアペイのキャンペーン
決済手数料ディスカウントプログラム
- 対象:中小事業者
- 内容:クレジットカード手数料を3.24% → **2.48%**に引き下げ
- 期間:継続実施中
0円スタートキャンペーン
- カードリーダー20,167円 → 無料
- 条件:新規申込み、実店舗限定
楽天ペイのキャンペーン
最強プラン
- 対象:中小事業者
- 内容:楽天ペイ・クレジットカード手数料を **2.20%**に引き下げ
- 期間:継続実施中
ターミナル0円導入キャンペーン
- 楽天ペイターミナル38,200円 → 無料
- スタンダードプラン月額費用2,200円 → 2025年12月まで無料
まとめ:最適な選択のための判断基準
決済手数料重視なら
楽天ペイの最強プランが最安
- 楽天ペイ・クレジットカード:2.20%
- ただし月額2,200円(2025年12月まで無料)
エアペイのディスカウントプログラムも業界最安水準
- クレジットカード:2.48%
- 月額費用完全無料
対応決済重視なら
エアペイが圧倒的
- QRコード決済:50種類以上
- PayPay・d払い対応
- UnionPay(銀聯)対応
入金サイクル重視なら
楽天ペイが有利
- 最短翌日入金
- ただし楽天銀行以外は振込手数料330円
サポート重視なら
エアペイが有利
- 通話料無料
- 多様な問い合わせ方法
- リクルートの安定した運営体制
導入前チェックリスト
事前確認項目
□ 店舗の業種・規模
- 中小企業の定義に該当するか
- 月間決済金額の想定
□ 主要な決済手段
- クレジットカードの利用比率
- QRコード決済の需要
- 電子マネーの利用状況
□ 既存システム
- POSレジの有無・種類
- iPad/iPhoneの保有状況
- インターネット環境
□ 資金繰り
- 入金サイクルの重要度
- 振込手数料の影響度
比較検討ポイント
項目 | エアペイ | 楽天ペイ | 判断基準 |
---|---|---|---|
決済手数料 | 2.48%~ | 2.20%~ | 月間決済金額×手数料差 |
月額費用 | 無料 | 無料~2,200円 | 長期利用コスト |
対応決済数 | 70種類以上 | 65種類 | 必要な決済手段 |
入金サイクル | 月3-6回 | 翌日可能 | 資金繰りの重要度 |
サポート | 充実 | 標準 | トラブル対応の重要度 |
おわりに
キャッシュレス決済端末の選択は、店舗の長期的な成長に大きく影響する重要な決定です。エアペイと楽天ペイ、それぞれに明確な特徴と優位性があります。
最終的な選択基準
- 総合的なコスト(決済手数料 + 月額費用 + 振込手数料)
- 必要な決済手段の対応状況
- 資金繰りへの影響
- 将来的な拡張性
どちらのサービスも2025年から手数料引き下げキャンペーンを実施しており、導入のチャンスと言えるでしょう。まずは資料請求や相談から始めて、実際の条件を確認することをおすすめします。
あなたの店舗に最適なキャッシュレス決済端末を選択し、顧客満足度向上と売上拡大を実現してください。