はじめに
キャッシュレス決済の普及が加速する中、店舗運営者にとってPOSレジシステムの選択は非常に重要な判断となります。2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%と政府目標である4割を達成しており、今後もさらなる成長が見込まれています。
本記事では、国内で圧倒的な人気を誇る**エアレジ(Airレジ)と、世界的に展開するスクエア(Square)**を15項目にわたって徹底比較。初心者でも理解しやすいよう丁寧に解説し、あなたの店舗に最適なサービスを見つけるお手伝いをいたします。
【結論】どちらを選ぶべきか
まず結論から申し上げますと:
コスト重視+豊富な決済ブランド対応なら → エアレジ
スピード重視+オンライン販売も考えているなら → スクエア
それでは、詳しく比較していきましょう。
エアレジとスクエアの基本情報
エアレジ(Airレジ)とは
リクルートが提供する国内シェアNo.1のPOSレジアプリです。48万を超える店舗が利用しているPOSレジアプリで、圧倒的なシェアを誇ります。
主な特徴:
- 完全無料のPOSレジアプリ
- iOSデバイス専用
- Airペイとの連携でキャッシュレス決済に対応
- 豊富な外部サービス連携
スクエア(Square)とは
欧米を中心に世界中で展開しているSquareは、導入や入金サイクルのスピードが早く、すぐにでも導入したい・売上回収したいと考えるビジネスオーナーに最適なサービスです。
主な特徴:
- 決済機能一体型POSレジ
- iOS・Android両対応
- 最短翌営業日入金
- 無料ECサイト機能付き
詳細比較表
項目 | エアレジ | スクエア |
---|---|---|
初期費用 | 0円(キャンペーン利用時) | 4,980円〜(端末購入必要) |
月額費用 | 0円 | 0円 |
対応OS | iOS専用 | iOS・Android |
決済手数料 | 2.48%〜3.24% | 2.5%〜3.25% |
入金サイクル | 月3〜6回 | 最短翌営業日 |
対応決済ブランド数 | 77種類 | 約30種類 |
POSレジ機能 | ◯ | ◯ |
EC機能 | × | ◯(無料) |
自動釣銭機連携 | ◯ | × |
15項目での詳細比較
1. 初期費用・月額料金
エアレジ
- 初期費用:0円(0円スタートキャンペーン利用時)
- 月額費用:0円
- キャンペーンで無料貸与されるのはカードリーダーのみのため、iPadまたはiPhoneを店舗側で用意する必要があります
スクエア
- 初期費用:4,980円〜(決済端末購入費)
- 月額費用:0円
- 決済端末不要でカード決済に対応できる「スマホでタッチ決済」というサービスがあるので、手持ちのスマホを使えば初期費用0円
結論:初期費用を抑えたいならエアレジが有利
2. 決済手数料
エアレジ(Airペイ)
- Visa・Mastercard:2.48%(ディスカウントプログラム適用時)
- JCB・AMEX・Diners・Discover:2.95%
- 電子マネー:3.24%
- QRコード決済:2.95%
スクエア
- 主要カードブランド:3.25%(一律)
- 電子マネー:3.25%
- QRコード決済:3.25%
年間のキャッシュレス決済額が3000万円以上の場合、手数料の個別交渉ができます
結論:手数料の安さではエアレジが優位
3. 入金サイクル
エアレジ(Airペイ)
- 月3回または月6回入金
- 振込手数料:無料
スクエア
- みずほ銀行または三井住友銀行を利用しているのであれば、最短翌営業日に売上金が振り込まれます
- その他銀行:週1回(水曜締め金曜入金)
- 振込手数料:無料
結論:資金繰りを重視するならスクエアが圧倒的に有利
4. 対応決済ブランド数
エアレジ(Airペイ)
- 77種類の決済ブランドに対応
- 銀聯(UnionPay)やUnionQRに対応しており、インバウンド需要にも強い
- 海外QR決済:Alipay、WeChat Pay、COIN+など
スクエア
- 約30種類の決済ブランドに対応
- 主要な国内外ブランドは網羅
- 対応するQR決済は日本や中国の7種類に限られます
結論:多様な決済手段を求めるならエアレジが有利
5. 導入・審査スピード
エアレジ
- 申込みから利用開始:1〜2週間程度
- Airペイの審査が必要
スクエア
- 特にクレジットカードのVisa、Mastercard、AMEXの国際ブランドなら、最短で翌営業日には決済ができるようになります
- 最短即日利用開始可能
結論:すぐに使い始めたいならスクエアが圧倒的に有利
6. 対応OS・デバイス
エアレジ
- iOS専用(iPhone・iPad)
- Androidは非対応
スクエア
- iOS・Android両対応
- より多くのデバイスで利用可能
結論:デバイス選択の自由度ではスクエアが有利
7. POSレジ機能
エアレジ
- 売上管理・分析
- 在庫管理
- 顧客管理
- 予約管理(一部有料)
- ポイント管理
スクエア
- 売上管理・分析
- 在庫管理
- 顧客管理
- 予約管理
- メール配信機能
- オフライン決済対応
結論:基本機能はほぼ同等、スクエアは細かい機能で優位
8. オンライン販売・EC機能
エアレジ
- EC機能なし
- 別途ECサイト構築が必要
スクエア
- 無料から使えるネットショップ作成サービス「Squareオンラインビジネス」と在庫を連携することも可能
- 店舗とEC在庫の一元管理可能
結論:オンライン販売を考えているならスクエア一択
9. 外部連携・拡張性
エアレジ
- 豊富なAirシリーズとの連携
- ホットペッパーグルメと連携できるのは飲食店にとって嬉しい
- 会計ソフト:弥生、マネーフォワードなど
スクエア
- 主要な会計ソフトとして使われている「弥生」と連携することができません
- 海外サービスとの連携に強み
結論:国内サービス連携ならエアレジ、海外連携ならスクエア
10. 周辺機器対応
エアレジ
- 自動釣銭機に対応しているため、セミセルフレジとしても利用できます
- レシートプリンター
- バーコードリーダー
- カスタマーディスプレイ
スクエア
- レシートプリンター内蔵端末あり
- バーコードスキャナー
- 自動釣銭機は非対応
結論:自動釣銭機を使いたいならエアレジ
11. サポート体制
エアレジ
- エアペイは9:30~23:00と、朝早い時間から夜遅くまで対応してもらえます
- 電話・メール・チャット対応
- 年中無休
スクエア
- スクエアの受付時間が10:00~18:00
- 電話・メール対応
- レスポンス良好
結論:サポート時間の長さではエアレジが有利
12. セキュリティ・安全性
エアレジ
- リクルートによる運営
- 国内の厳格なセキュリティ基準
- 大企業の信頼性
スクエア
- 世界基準のセキュリティ
- PCI DSS準拠
- 三井住友カードとの業務提携
結論:どちらも高いセキュリティレベルで安心
13. 継続課金・サブスク対応
エアレジ
- 継続課金機能なし
- 別途サブスク管理システムが必要
スクエア
- 継続課金機能標準搭載
- 毎月固定料金が発生するサブスクのようなサービスを展開している事業者には利便性が高い
結論:サブスクビジネスならスクエア一択
14. レポート・分析機能
エアレジ
- Airメイトと連携しないと詳細な分析ができないため、導入時に連携しておくとよい
- 基本的な売上分析は可能
スクエア
- 最新の売上情報をメール配信してくれるので、忙しい日でも売上や在庫状況を確認できます
- リアルタイム分析機能
結論:分析機能の使いやすさではスクエアが優位
15. 将来性・アップデート
エアレジ
- 国内最大手リクルートの安定運営
- 日本市場に特化した機能開発
スクエア
- グローバル企業の豊富な開発リソース
- 新機能の迅速な展開
結論:どちらも安定した将来性を持つ
業種別おすすめ
飲食店
エアレジがおすすめ
- ホットペッパーグルメとの連携
- 自動釣銭機対応でセミセルフ化可能
- 長時間サポート対応
小売店
どちらでも可(用途により選択)
- 在庫重視:スクエア(EC連携)
- コスト重視:エアレジ
美容・サロン
エアレジがおすすめ
- 予約管理機能
- 顧客管理の充実
- 業界特化サービスとの連携
EC・オンライン販売
スクエア一択
- 無料ECサイト構築
- 在庫一元管理
- オムニチャネル対応
サービス業
スクエア推奨
- 継続課金対応
- 請求書機能
- オンライン決済
実際の利用者の声
エアレジ利用者の評価
現状で稼働しているキャッシュレス決済端末の故障や不具合は、ほぼ皆無といっても間違いありません。私は数年間使用して、扱いが少々粗くても故障や劣化した端末を見たことがございませんので、耐久性にも優れている
無料プランで契約し、使用しておりましたが、特に有料プランに変更しなくても十分な売上管理ができていたので満足しております
スクエア利用者の評価
セットアップも特別難しいこともなく直感的な操作で完了しました。アプリも非常にシンプルで視覚的にも分かりやすくマニュアルなどを確認しなくても直感的に操作が可能
決済があった日、入金日に必ずメールが届くので確認がしやすかったです。また、アプリ内の管理機能も一目で数値が分かるようになっていた
よくある質問
Q1. エアレジとスクエアは併用できますか?
Airレジ(エアレジ)とスクエアは、併用・連携が可能です。エアレジをメインPOSとして、スクエア決済を決済手段の一つとして利用することができます。
Q2. 解約時に違約金はかかりますか?
両サービスとも解約時の違約金は発生しません。ただし、エアレジの場合は端末返送時の送料が必要です。
Q3. オフライン環境でも使用できますか?
スクエアはオフライン決済に対応していますが、エアレジは基本的にオンライン環境が必要です。
Q4. 個人事業主でも利用できますか?
両サービスとも個人事業主での利用が可能です。
2025年のキャッシュレス市場動向
2023年には39.3%(決済総額126.7兆円)に達していることから、政府目標「2025年までに4割程度」の達成は確実視されている状況で、2024年のキャッシュレス決済比率は、42.8%と政府目標である4割を達成しました。
この成長トレンドを考慮すると、キャッシュレス決済への対応は今や必須の投資と言えるでしょう。
選択のためのチェックリスト
以下のチェックリストを参考に、あなたの店舗に最適なサービスを選択してください:
エアレジを選ぶべき場合
- [ ] 初期費用を抑えたい
- [ ] 決済手数料をできるだけ安くしたい
- [ ] 多様な決済手段に対応したい
- [ ] 自動釣銭機を導入予定
- [ ] iOSデバイスを使用予定
- [ ] 国内サービスとの連携を重視
スクエアを選ぶべき場合
- [ ] できるだけ早く導入したい
- [ ] 入金を早くしたい
- [ ] EC・オンライン販売も考えている
- [ ] サブスクリプションビジネス
- [ ] Android端末を使いたい
- [ ] 海外展開を考えている
まとめ
エアレジとスクエアは、それぞれ異なる強みを持つ優れたサービスです。
**エアレジは「コスト重視+国内特化」**のサービスで、初期費用を抑えて豊富な決済手段に対応したい事業者に最適です。
**スクエアは「スピード重視+グローバル対応」**のサービスで、迅速な導入と入金、オンライン展開を考える事業者に最適です。
どちらを選んでも、現代の店舗運営に必要な機能は十分に備わっています。重要なのは、あなたの事業の特性と将来計画に最も合致するサービスを選ぶことです。
キャッシュレス決済の普及は今後も加速していきます。早めの導入で、競合他店に差をつけ、お客様の利便性向上と売上アップを実現しましょう。
まずは両サービスの無料アカウントを作成して、実際に触ってみることをおすすめします。