キャッシュレス決済端末を検討している事業者にとって、入金サイクルは非常に重要な選択基準です。売上金がいつ振り込まれるかは、店舗運営の資金繰りに直接影響するからです。
この記事では、リクルートが提供する決済サービス「Airペイ（エアペイ）」の入金サイクルについて、振込日の詳細から競合他社との比較まで、初心者にもわかりやすく徹底解説します。
エアペイの入金サイクルとは？基本を理解しよう
入金サイクルの基本概念
入金サイクルとは、キャッシュレス決済で受け取った売上金が、実際に事業者の銀行口座に振り込まれるまでの期間・頻度のことです。
現金決済の場合は、お客様から直接現金を受け取るため即座に資金が手元に入りますが、キャッシュレス決済では決済代行会社を経由するため、一定期間後に振り込まれる仕組みになっています。
エアペイの入金サイクルの特徴
エアペイの入金サイクルは、登録する銀行によって月3回または月6回に分かれており、振込先の銀行口座によって入金頻度が決まります。
【最重要】銀行別入金サイクル一覧表
エアペイの入金サイクルは、振込先として登録する銀行によって大きく異なります。
月6回入金：メガバンク3行
みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行のいずれかを振込先に指定した場合、入金サイクルは月6回となります。
| 決済期間 | 振込日 |
|---|---|
| 月末〜翌月4日 | 10日頃 |
| 5〜9日 | 17日頃 |
| 10〜14日 | 21日頃 |
| 15〜19日 | 25日頃 |
| 20〜24日 | 29,30,31日頃 |
| 25〜30(31)日 | 翌月7日頃 |
メリット：
- 約5日おきの入金で資金繰りが安定
- 短期間での現金化が可能
- 仕入れや経費支払いに合わせやすい
月3回入金：その他の銀行
みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行以外の銀行を登録した場合、入金サイクルは月3回になります。
| 決済期間 | 振込日 |
|---|---|
| 月末〜翌月9日 | 15日頃 |
| 10〜19日 | 25日頃 |
| 20〜30日 | 翌月5日頃 |
注意点：
- 入金間隔が約10日と長め
- 資金繰りの計画が重要
- 売上の少ない初期段階では不安要素
利用できない銀行
エアペイではゆうちょ銀行の口座は利用できません。他の金融機関の口座開設を検討する必要があります。
エアペイQRの入金サイクル【要注意】
QRコード決済は別システム
エアペイには、クレジットカード・電子マネー決済用の「Airペイ」と、QRコード決済用の「AirペイQR」があり、それぞれ入金サイクルが異なります。
AirペイQRの入金詳細
AirペイQRの入金サイクルは、月末締めの翌月末日（最終営業日）の月1回のみとなります。
入金スケジュール：
- 決済期間：1日〜月末
- 締め日：月末
- 振込日：翌月末日（土日祝の場合は前営業日）
注意が必要な理由：
- 資金繰りへの影響: QRコード決済の利用が多い店舗では、売上の大部分が月1回の入金となる
- PayPayなど主要QR決済が対象: 現在利用者の多いQRコード決済がこのサイクルに含まれる
- 運転資金の確保が重要: 特に小規模事業者は事前の資金計画が必須
振込手数料は完全無料
全銀行で手数料0円
エアペイは、どの銀行を振込口座に登録しても入金手数料が無料です。これは他の決済サービスと比較しても大きなメリットです。
手数料無料のメリット：
- 月6回入金でも追加コストなし
- 入金額がそのまま受け取れる
- 小規模事業者にも優しい料金体系
決済手数料一覧
入金時は手数料無料ですが、決済時には以下の手数料が発生します：
| 決済方法 | 決済ブランド | 手数料率 |
|---|---|---|
| クレジットカード | VISA、Mastercard、JCB等 | 3.24%（期間限定2.48%） |
| 交通系電子マネー | Suica、PASMO等 | 2.95% |
| 電子マネー | Apple Pay、iD、QUICPay | 3.24% |
| QR決済 | PayPay、d払い、楽天ペイ等 | 2.95% |
【重要】振込日の注意事項
土日祝日の扱い
振込日が土日祝日など金融機関休業日の場合、月末振込は前営業日、それ以外は後営業日となります。
具体例：
- 月末振込（31日が土曜日）→ 前営業日（30日金曜日）に前倒し
- 通常振込（10日が日曜日）→ 後営業日（11日月曜日）に後倒し
振込名義人の違い
AirペイとAirペイQRでは振込名義人が異なります。Airペイの場合は「リクルートペイメント」、AirペイQRは「Airペイ QR ／ カ)デイージーフイナンシヤルテクノロジー」と記載されます。
競合他社との入金サイクル比較
主要決済サービスとの比較表
| サービス名 | 最短入金サイクル | 条件 | 振込手数料 |
|---|---|---|---|
| エアペイ | 月6回（約5日おき） | メガバンク3行利用時 | 無料 |
| Square | 最短翌営業日 | みずほ・三井住友銀行 | 無料 |
| 楽天ペイ | 最短翌営業日 | 楽天銀行利用時 | 無料 |
| stera pack | 毎日（2営業日後） | 三井住友銀行利用時 | 無料（他行は有料） |
エアペイの競合優位性
メリット：
- 全銀行で振込手数料無料
- 安定した月6回入金
- 初期費用0円キャンペーン実施中
デメリット：
- 最短翌日入金には非対応
- QRコード決済は月1回のみ
- ゆうちょ銀行利用不可
入金サイクルを改善する方法
1. 振込先銀行の変更
振込先の銀行口座を変更することで入金サイクルを改善できます。メガバンク3行への変更を検討しましょう。
手続き方法：
- エアペイ管理画面にログイン
- 「振込先口座情報」から変更手続き
- 約1週間で変更完了
2. 他社サービスとの併用
入金サイクル重視の場合は、以下のサービス併用も検討できます：
Square（スクエア）： 振込指定口座が三井住友orみずほ銀行なら最短翌営業日入金が可能で、どこの銀行を指定しても振込手数料は0円です。
3. 資金計画の最適化
効果的な資金管理方法：
- 振込カレンダーの活用
- 運転資金の事前確保
- 支払いサイクルとの調整
よくある質問と回答
Q1. 入金サイクルの変更は可能ですか？
エアペイの入金サイクルは金融機関によって固定されており、回数の変更はできません。振込先銀行の変更のみ可能です。
Q2. 振込予定金額の確認方法は？
エアペイ管理画面の「振込一覧」から確認できます。また、決済期間最終日の翌月15日以降に「振込金額確定メール」が送付されます。
Q3. 入金されない場合の対処法は？
- 土日祝日でないか確認
- 口座情報の正確性を確認
- 通信エラーの可能性を検討
- カスタマーサポートに問い合わせ
Q4. 2025年の振込カレンダーはどこで確認できますか？
エアペイ公式サイトの「振込カレンダー」ページで1年分の振込日を確認できます。
利用者の実際の評価・口コミ
入金サイクルに関する満足度
エアペイ利用者へのアンケート調査では、入金サイクルについて「早い」28%、「普通」32%、「遅い」40%という結果が出ています。
実際の利用者コメント
ポジティブな評価：
「入金サイクルは5日毎に集計・入金されます。資金が不足しているとき、支払いが間近の時の5日毎の現金化はとても助かります。」 （35歳女性・福岡県・フリーランス）
改善を求める声：
「QRコード決済は月1回の入金と少なめです。資金繰りを重視する方には、もう少し頻度が高い方が良いかもしれません。」 （美容室経営者）
エアペイ導入を検討する際のチェックポイント
入金サイクル重視なら確認すべき点
- 主要な決済方法: クレジットカード中心なら月6回入金のメリット大
- QRコード決済の比率: PayPay等が多い場合は月1回入金を考慮
- 資金繰り状況: 運転資金に余裕があるかを事前確認
- 振込先銀行: メガバンク3行の口座開設を検討
他社との比較検討ポイント
入金サイクル最重視の場合：
- Square: 最短翌営業日入金
- 楽天ペイ: 楽天銀行で翌営業日入金
総合的なバランス重視の場合：
- エアペイ: 手数料無料+月6回入金+豊富な決済種類
まとめ：エアペイの入金サイクルを最大活用する方法
エアペイの入金サイクルは、振込先銀行の選択が最も重要なポイントです。
重要なポイント一覧
- メガバンク3行利用で月6回入金を実現
- QRコード決済は月1回なので事前の資金計画が重要
- 振込手数料は全銀行で無料
- 土日祝日は振込日が前後するため注意が必要
- 入金サイクルの変更は不可、銀行変更のみ可能
最適な活用方法
資金繰り重視の事業者：
- みずほ・三菱UFJ・三井住友銀行の口座開設
- QRコード決済比率の把握と資金計画策定
- 振込カレンダーを活用した支払いスケジュール調整
コスト重視の事業者：
- 振込手数料無料を最大活用
- 決済手数料の安さを重視した決済方法の推奨
- 初期費用0円キャンペーンの活用
エアペイは入金サイクルの点で競合他社と比較して最速ではありませんが、振込手数料無料という大きなメリットがあります。特に小規模事業者にとって、月6回の安定した入金と手数料の安さは魅力的な選択肢といえるでしょう。
導入を検討する際は、自店舗の資金繰り状況と主要な決済方法を考慮して、最適な決済サービスを選択することが重要です。
