楽天ペイの手数料は誰が払う?店舗導入前に知っておきたい完全ガイド

キャッシュレス決済が当たり前となった現在、多くの店舗が楽天ペイの導入を検討しています。しかし、「手数料は誰が払うの?」「結局いくらかかるの?」といった疑問を持つ経営者の方も多いのではないでしょうか。

結論:楽天ペイの手数料は店舗(加盟店)側が負担し、お客様には商品代金に上乗せして請求することは禁止されています。

この記事では、楽天ペイの手数料体系を詳しく解説し、導入を検討している事業者の皆様に必要な情報をお届けします。

楽天ペイの手数料は誰が払う?基本的な仕組み

手数料負担の原則

楽天ペイの手数料は決済を受け付けた事業者側が払う必要があります。これは楽天ペイに限らず、クレジットカード決済や他のキャッシュレス決済サービス全般に共通するルールです。

手数料を負担する側

  • 店舗(加盟店)
  • 事業者
  • サービス提供者

手数料を負担しない側

  • お客様(利用者)
  • 購入者
  • 消費者

商品代金への上乗せは禁止

決済手数料を顧客に商品代に上乗せして請求することは楽天ペイ加盟店規約で禁止されています。つまり、現金払いでもキャッシュレス決済でも、同じ商品は同じ価格で販売する必要があります。

楽天ペイの手数料体系(2025年最新版)

楽天ペイでは2024年12月から新たな料金プランを導入し、中小事業者を対象に「楽天ペイ」およびクレジットカードの決済手数料率を2.20%に引き下げる最強プランを開始しています。

最強プラン(中小事業者限定)

スタンダードプラン

  • 月額費用: 2,200円(税込)
  • 決済手数料:
    • 楽天ペイ: 2.00%(税抜)
    • クレジットカード: 2.20%(非課税)
    • その他QRコード決済: 2.95%
    • 電子マネー: 2.95%

12月2日から2025年12月31日まで月額費用が無料になるキャンペーンも実施しているため、実質無料で低い手数料率を利用できます。

ライトプラン

  • 月額費用: 無料
  • 決済手数料:
    • 楽天ペイ: 2.254%(税抜)
    • クレジットカード: 2.48%(非課税)
    • その他QRコード決済: 2.95%
    • 電子マネー: 2.95%

標準プラン(従来プラン)

中小事業者以外の事業者や、最強プランの条件に該当しない場合は標準プランが適用されます。

決済方法手数料率
楽天ペイ(QRコード決済)3.24%
クレジットカード(主要ブランド)3.24%
JCB・アメックス・ダイナース3.74%
電子マネー2.95%~3.24%
その他QRコード決済2.95%~3.24%

楽天ペイ導入時にかかる費用の詳細

初期費用

楽天ペイの導入時に初期費用は一切かかりません。楽天ペイ導入時に、加盟店に対して初期費用は発生しません。無料で導入可能です。

端末代金

楽天ペイターミナル

  • 通常価格: 38,280円(税込)
  • キャンペーン適用: 0円

カードリーダー

  • 通常価格: 19,800円(税込)
  • キャンペーン適用: 0円

2024年5月1日から実施されており、税込38,280円の決済端末が無料になります。

振込手数料

楽天ペイでは入金先口座によって振込手数料が変わります。

入金先口座振込手数料
楽天銀行無料
その他銀行330円/回

楽天銀行を振込先として使用していたので、振り込み手数料は無料で利用できていたという実際の利用者の声もあります。

決済方法別の手数料比較

楽天ペイでは複数の決済方法に対応しており、それぞれ手数料が異なります。

QRコード決済

決済サービススタンダードプランライトプラン標準プラン
楽天ペイ2.00%(税抜)2.254%(税抜)3.24%
au PAY2.95%2.95%2.95%
PayPay3.24%3.24%3.24%
d払い3.24%3.24%3.24%

クレジットカード決済

カードブランドスタンダードプランライトプラン標準プラン
Visa/Mastercard2.20%(非課税)2.48%(非課税)3.24%
JCB2.20%(非課税)2.48%(非課税)3.24%
American Express2.20%(非課税)2.48%(非課税)3.74%
Diners Club2.20%(非課税)2.48%(非課税)3.74%

電子マネー決済

電子マネー手数料率
楽天Edy2.95%
交通系IC(Suica等)2.95%
nanaco/WAON2.95%
QUICPay3.24%
iD3.24%

他社決済サービスとの手数料比較

楽天ペイの手数料が他社と比較して高いのか、主要な決済サービスと比較してみましょう。

サービス名クレジットカード手数料QRコード決済手数料月額費用
楽天ペイ(最強プラン)2.20%~2.00%~0円~2,200円
Square3.25%3.25%無料
PayPay有料(要問合せ)有料(要問合せ)無料~
Airペイ3.24%~3.74%3.24%無料
STORES 決済3.24%3.24%無料

楽天ペイの決済手数料は「高い」ということはなく、クレジットカードやQRコードの楽天ペイで決済した場合に2%台となり、他サービスより安くなります。

手数料の計算例

実際にどの程度の手数料がかかるのか、具体例で見てみましょう。

月売上50万円の小規模店舗の場合

最強プラン(スタンダード)を利用した場合

  • 楽天ペイ利用分: 20万円 × 2.00% = 4,000円
  • クレジットカード利用分: 25万円 × 2.20% = 5,500円
  • 現金決済分: 5万円 × 0% = 0円
  • 月額利用料: 0円(キャンペーン適用)
  • 振込手数料: 0円(楽天銀行利用)

月間手数料合計: 9,500円

標準プランを利用した場合

  • 楽天ペイ利用分: 20万円 × 3.24% = 6,480円
  • クレジットカード利用分: 25万円 × 3.24% = 8,100円
  • 現金決済分: 5万円 × 0% = 0円
  • 振込手数料: 330円(他行利用の場合)

月間手数料合計: 14,910円

差額は5,410円となり、年間では約65,000円の違いが生まれます。

楽天ペイ導入のメリット・デメリット

メリット

コスト面

  • 初期費用・端末代金が無料(キャンペーン適用時)
  • 楽天銀行利用で振込手数料無料
  • 最強プランで業界最安水準の手数料

集客面

  • 楽天ポイントが貯まる・使える
  • 楽天経済圏のユーザーにアピール
  • 複数の決済方法に一つの端末で対応

運営面

  • 売上の最短翌日入金
  • 管理画面で一元管理
  • 土日祝日対応のサポート

デメリット

制約面

  • 手数料を顧客に転嫁できない
  • 最強プランは中小事業者限定
  • 解約時の違約金(スタンダードプラン)

運用面

  • 端末の操作習得が必要
  • ネット環境が必須
  • システム障害時のリスク

導入時の注意点とポイント

プラン選択のポイント

スタンダードプランがおすすめの店舗

  • 月間キャッシュレス決済額が30万円以上
  • 決済手数料削減を重視
  • 楽天銀行口座を開設可能

ライトプランがおすすめの店舗

  • 月間キャッシュレス決済額が少ない
  • 固定費を避けたい
  • 試験的に導入したい

審査について

楽天ペイの加盟店審査では以下の点が重視されます:

  • 事業の実態と継続性
  • 取り扱う商品・サービス
  • 事業規模と売上見込み
  • 過去の金融事故履歴

一般的な小売店や飲食店であれば、必要書類を揃えることで審査通過は難しくありません。

キャンペーン活用のコツ

端末無料キャンペーンの条件

  • 新規加盟店であること
  • 審査通過から2年以内の解約は違約金発生
  • 一定の決済実績が必要な場合有り

月額無料キャンペーンの条件

  • 2025年9月30日までの申込み
  • スタンダードプラン選択
  • 2025年12月分まで無料

よくある質問と回答

Q1. 楽天ペイの手数料は消費税込みですか?

A1. 決済方法によって異なります。クレジットカード手数料のような後払いのものは、基本的に消費税非課税です。反対にQRコード決済のように事前にチャージを行うプリペイド式のものは。消費税の課税対象となります。

Q2. 他社から乗り換える際の費用はかかりますか?

A2. 楽天ペイの導入自体に費用はかかりませんが、既存サービスの解約費用や端末返却費用が発生する場合があります。現在のサービス契約内容を確認しましょう。

Q3. 手数料を顧客に請求してはいけないのですか?

A3. はい、楽天ペイの加盟店規約で禁止されています。現金払いとキャッシュレス決済で価格を変えることはできません。

Q4. 入金サイクルはどのくらいですか?

A4. 楽天ペイでは最短翌日入金が可能です。楽天銀行を利用すれば振込手数料も無料になります。

Q5. 決済手数料以外にかかる費用はありますか?

A5. 主な費用は以下の通りです:

  • 月額利用料(プランにより0円~2,200円)
  • 振込手数料(楽天銀行は無料、他行は330円)
  • 端末代金(キャンペーン適用で無料)

まとめ:楽天ペイ導入前にチェックすべきポイント

楽天ペイの手数料は店舗側が負担し、顧客に転嫁することは禁止されています。しかし、2024年12月から開始された最強プランにより、業界最安水準の手数料でサービスを利用できるようになりました。

導入検討時のチェックポイント

  1. 事業規模の確認: 中小事業者なら最強プラン対象
  2. 決済額の試算: 月額費用との損益分岐点を計算
  3. 口座の準備: 楽天銀行開設で振込手数料無料
  4. キャンペーン期限: 端末無料・月額無料の期限確認
  5. 競合比較: 他社サービスとの総合コスト比較

楽天ペイの手数料・費用は高いことなく、手数料水準や導入のしやすさや振込条件まで含めて、実用的な選択肢として高く評価されています。

キャッシュレス決済の普及により、決済手段の多様化は集客・売上アップの重要な要素となっています。手数料負担はありますが、顧客満足度向上と売上拡大のメリットを考慮し、総合的に判断することが大切です。

楽天ペイの導入を検討している事業者の方は、まずは無料の資料請求や相談から始めてみることをおすすめします。適切なプラン選択により、コストを抑えながら効果的にキャッシュレス決済を導入できるでしょう。