【2025年最新版】POSレジ比較表で分かる!失敗しない選び方とおすすめ15選

はじめに

キャッシュレス決済が普及し、店舗運営のデジタル化が進む中、日本のPOS端末の市場規模は2025年に14万9,320台と推定され、2030年には23万3,030台に達すると予測され、予測期間(2025-2030年)のCAGRは9.31%です。このような成長市場において、POSレジ選びは店舗の成功を左右する重要な決断です。

本記事では、POSレジの基本から最新の比較情報まで、初心者でも理解できるよう分かりやすく解説します。また、業種別の特殊なシーンにも対応した機能や、変化する状況に合わせて必要な機能を低コストで追加できるPOSレジの選び方をご紹介します。

POSレジとは?基本を理解しよう

POSレジの定義

POSは「Point of Sales(販売時点情報管理)」の略で、「いつ・どこで・何が・どれくらい売れたか(Point of Sale)」など、店舗の会計情報をリアルタイムで記録・管理できるシステムです。

従来のキャッシュレジスターとは大きく異なり、計算や売上の管理に加えて、バーコードを読み取るだけで商品情報も簡単に登録可能。レジ締めを待つまでもなく、「いつ・どこで・何が・どれくらい売れたか」をリアルタイムで把握できます。

従来レジとの違い

従来のキャッシュレジスターPOSレジ
基本的な会計処理のみ売上・在庫・顧客管理が一体化
手動での売上集計リアルタイムでの自動集計
単店舗での運用複数店舗の一元管理可能
商品情報の手入力バーコード読み取りで自動入力
アナログな在庫管理デジタルな在庫管理・分析

POSレジの種類と特徴

機器タイプ別分類

1. タブレット型POSレジ

  • 特徴: iPadやAndroidタブレットを使用しレジアプリを使用するコンパクトなPOSレジシステム。機動性が高く、場所を選ばない運用が可能
  • メリット:
    • 初期費用が比較的安く、導入がしやすい
    • アプリのアップデートにより、機能追加や改善が容易
    • 持ち運びが容易で店舗レイアウトの変更にも柔軟
  • 適用店舗: 小規模店舗、カフェ、移動販売など

2. パソコン型POSレジ

  • 特徴: 既存のPCにPOSソフトウェアをインストールして使用
  • メリット: 高い処理能力、豊富なカスタマイズ機能
  • 適用店舗: 中規模以上の店舗、複雑な業務フローを持つ店舗

3. ターミナル型POSレジ

  • 特徴: 専用端末を使用する本格的なPOSシステム
  • メリット: 高い安定性、豊富な機能、大容量データ処理
  • 適用店舗: 大型店舗、チェーン展開店舗

業態別分類

汎用型POSレジ どの業種でも幅広く活用できる「高機能汎用タイプ」として、基本的な機能は搭載されており、業種ごとの特殊なシーンにも対応します。

業界特化型POSレジ 飲食店、美容室、小売店など、業種に特化した機能を揃えた「業種特化型」で、業種ならではの機能を備えており、店舗運営の効率化に役立ちます。

POSレジ導入のメリット

1. 業務効率化

POSレジはバーコードを読み込むだけで金額を読み取れるため、ミスなくスピーディーに会計作業を行えます。また、レジ締め作業の時間短縮により、レジ締めにかかる時間を従来の半分にできる効果があります。

2. リアルタイムデータ分析

売上データを自動で集計し、リアルタイムでの売れ行きの把握が可能。ボタン1つで、昨対比といった様々な切り口から分析できる機能もついているため、Excelを使った分析作業が不要になります。

3. 在庫管理の最適化

「どの商品が何個売れたのか」といった販売情報をリアルタイムで収集すれば、蓄積したデータをもとに”売れ筋””死に筋”を把握できます。

4. 顧客管理・マーケティング強化

顧客の属性情報や購買履歴など、端末上から細かな顧客情報の管理ができるものも。それらのデータを実店舗での接客や、顧客の好みに応じたメルマガ配信などに活用することで、リピーター獲得に向けた効率的なマーケティング施策が行えるようになります。

POSレジ選び方のポイント

1. 自店舗の課題を明確化

まずは自社の問題点を洗い出し、どのような機能が必要なのか明らかにしましょう。価格だけなく、自社の問題点がどこまで改善できるのかを比較して選ぶことが大切です。

2. 予算の設定

POSレジは機種や提供企業、プランによって導入費用やランニングコストが異なるため、自社の予算はいくらなのか決めておきましょう。

3. 必要機能の整理

業種や店舗規模に応じて必要な機能は異なります。以下の基本機能を参考に、自店舗に必要な機能をリストアップしましょう。

POSレジの基本機能一覧

機能カテゴリ具体的機能説明
レジ機能注文・会計、釣り銭計算、商品の一括登録、レシート発行基本的な会計処理機能
売上管理・分析日別・月別・商品別・部門別分析様々な切り口での売上分析
複数店舗管理各店舗の売上自動集計、売上報告メール自動配信チェーン展開に必須
在庫管理商品マスタ一元化、売れ行き共有、棚卸し、発注・入庫管理在庫の最適化
顧客管理顧客情報登録、来店・購入履歴、予約情報管理顧客満足度向上
スタッフ管理出退勤記録、スケジュール管理、給与データ作成労務管理効率化

4. サポート体制の確認

機能と価格が安いという理由だけでサポートを軽視すると、不測の事態へのサポートが乏しく、対処ができない場合が多数です。価格だけではなく、サポート体制を踏まえ総合的に判断しましょう。

5. 連携可能性

すでに利用している会計や予約システム、キャッシュレス決済などと連携できなければ、これまで集計されたデータは活用できなくなります。

業種別POSレジの選び方

飲食店向けPOSレジの選び方

飲食店では以下の機能が重要です:

必須機能

  • 複数伝票管理: 複数の伝票を同時に管理する必要性があります。複数の伝票管理ができるのか否か、また、「人数」、「制限時間」などの設定ができるのか否かを確認しましょう
  • テーブル管理: フロアマップ作成、席移動、会計合算機能
  • オーダーエントリー: ハンディ端末連携、セルフオーダー対応
  • 決済機能: 個別会計、割り勘対応、多様な決済手段

推奨機能

  • タイマー機能(時間制コース対応)
  • 多言語対応(インバウンド対策)
  • モバイルオーダー対応

美容室向けPOSレジの選び方

美容室では、自店舗の課題や運営スタイルに合ったPOSレジを選ぶことが重要です。特に、顧客データを効果的に活用し、リピーターを増やすための機能を重視しましょう。

必須機能

  • 顧客カルテ機能: 名前や住所に加え、来店記録や施術履歴、注意事項を記録でき、次回の対応やスタッフ間の引き継ぎがスムーズになります
  • 予約管理: オンライン予約連携、スケジュール管理
  • 写真管理: ビフォーアフターの写真やメモを記録することで、次回の提案や施術内容の共有に活用できます
  • スタイリスト管理: 指名管理、売上管理

小売店向けPOSレジの選び方

会計機能や決済手段の充実度に加えて、在庫照会・入出荷・検品・棚卸しなどの機能が標準搭載されているPOSレジが適しています。

必須機能

  • 在庫管理: リアルタイム在庫更新、発注管理、棚卸し機能
  • 商品管理: バーコード管理、価格設定、カテゴリ管理
  • レポート機能: 売れ筋分析、ABC分析、季節性分析

推奨機能

  • EC連携(オムニチャネル対応)
  • 店舗間在庫移動
  • セール・キャンペーン管理

POSレジ主要サービス比較表

汎用型POSレジ比較

サービス名月額料金無料プラン主な特徴導入実績おすすめ業種
スマレジ0円~幅広い業種・業界で使われているクラウドPOSレジシステム。POSレジの基本機能は網羅されており、業種を問わず導入しやすい47,000店舗以上全業種
Airレジ0円注文入力・会計や管理・分析などのレジ機能に加え、サポート利用まで無料のPOSレジアプリ904,000アカウント小規模店舗
Square POSレジ0円タブレット端末にアプリをダウンロードするだけで、無料で利用可能。現在利用中の端末をそのまま利用でき、設定・操作も簡単非公開個人事業主
ユビレジ6,900円~×2010年のリリース以来改良を重ね、飲食業や小売業、サービス業を筆頭に、業種を問わず様々な店舗で利用非公開中小規模店舗
CASHIER0円~カスタマイズ性に強みを持つマルチチャネルPOSシステム。POSレジ開発15年以上の実績・ノウハウを活かしたサポート2,000台以上カスタマイズ重視

業種特化型POSレジ比較

飲食店向け

サービス名月額料金特化機能特徴
POS+ food14,000円~テーブル管理、オーダーエントリー各店のオペレーションにあわせて、多彩な機能からカスタマイズできる飲食店専用POSレジ
blayn POSレジ2,800円~タイマー機能、個別会計導入店舗数7,000店舗を超える、飲食店専用のPOSレジ
USENレジ FOOD要問合せメニュー設定、テーブル管理音楽・通信サービスとの連携

美容室向け

サービス名月額料金特化機能特徴
SalonAnswer9,800円~顧客カルテ、写真管理シリーズ累計9,000店舗での導入実績を持つ理美容サロン専用クラウドPOSシステム
StoreTouch7,000円~顧客管理、分析機能小中規模サロン向け、iPad専用

小売店向け

サービス名月額料金特化機能特徴
SPIRE POS9,000円~在庫管理、店舗間移動アパレル・雑貨店に特化
パワクラ要問合せEC連携、オムニチャネル実店舗・EC両展開店舗向け

POSレジの価格相場

初期費用

項目価格相場備考
タブレット端末30,000円~80,000円iPad、Android端末
レシートプリンター10,000円~50,000円安価なものであれば1万円以内から購入することができます
バーコードスキャナー5,000円~30,000円有線・無線タイプ
キャッシュドロア25,000~35,000円程度現金管理用
カードリーダー5,000円~20,000円キャッシュレス決済用

月額費用

プランタイプ月額相場対象規模
無料プラン0円個人事業主、小規模店舗
基本プラン3,000円~8,000円中小規模店舗
プレミアムプラン8,000円~15,000円複数店舗、高機能
エンタープライズ15,000円~大規模チェーン

決済手数料

決済方法手数料相場備考
クレジットカード3.24%~3.74%Visa、Mastercard等
QRコード決済3.24%~3.74%PayPay、楽天ペイ等
電子マネー3.24%~3.74%Suica、nanaco等

POSレジ導入の流れ

1. 要件定義・比較検討(1-2週間)

  • 現状課題の整理
  • 必要機能の洗い出し
  • 予算設定
  • サービス比較検討

2. デモ・トライアル(1-2週間)

  • 実際の操作感確認
  • 機能の詳細確認
  • サポート体制の確認

3. 導入準備(1-2週間)

  • 初期設定と初期講習を完了させたら最後に商品登録とマニュアル設定をしましょう
  • 周辺機器の準備・設置
  • スタッフトレーニング

4. 運用開始・定着(継続)

  • 運用状況のモニタリング
  • 追加機能の検討
  • 定期的な運用改善

よくある質問(FAQ)

Q1. POSレジの導入コストはどのくらいかかりますか?

A1. 初期費用はかからず、無料で使い始められます。アプリによっては、月額有料のプランが用意されていることもありますが、たいていは無料プランでも十分に利用できます。初期投資は周辺機器代のみで5万円~15万円程度が一般的です。

Q2. 既存の会計ソフトと連携できますか?

A2. POSレジアプリは、クラウド会計ソフトとも連携できます。POSレジアプリと連携させれば、売上情報を自動で帳簿に反映できるので、経理業務を大幅に削減できます。主要な会計ソフト(マネーフォワード、弥生、freee等)との連携が可能なサービスが多数あります。

Q3. セルフレジとPOSレジの違いは何ですか?

A3. セルフレジは顧客自身が操作するレジ機能に特化したシステムですが、POSレジは売上・在庫・顧客管理まで含む包括的な店舗管理システムです。セルフレジの市場規模は、2020年には約1,000億円でしたが、2025年には約2,500億円になると予測されています。

Q4. クラウド型POSレジのセキュリティは大丈夫ですか?

A4. POSレジにはクレジットカード情報や顧客情報を保護するためのセキュリティ対策が施されており、お客様の個人情報の漏洩リスクを低減します。主要サービスはPCI DSS準拠やSSL暗号化など、業界標準のセキュリティ対策を実装しています。

2025年のPOSレジ市場トレンド

市場成長の背景

日本政府は積極的なイニシアチブをとり、2025年までにキャッシュレス決済を40%、長期的には80%まで引き上げることを目指す「キャッシュレス・ビジョン」を実施しており、POSレジ需要の追い風となっています。

新技術の活用

AI・機械学習の導入 AIレジの市場規模は、2020年には約100億円でしたが、2025年には約1,000億円になると予測されています。商品の画像認識技術や需要予測機能が実用化されています。

クラウド化の進展 2020年のクラウドPOSレジの市場規模は22億ドルで、今後も継続的な成長が見込まれています。

まとめ

POSレジ選びは、店舗の業務効率化と売上向上に直結する重要な決断です。以下のポイントを抑えて選択することが成功の鍵となります:

選び方のポイント

  1. 自店舗の課題を明確にする
  2. 業種に適したタイプを選ぶ
  3. 予算とコストパフォーマンスを考慮する
  4. サポート体制を重視する
  5. 将来の拡張性を考慮する

おすすめのアプローチ

  1. まずは無料プランから始める: 「Airレジ」と「Square POSレジ」には、そもそも有料プランがありません。すべてのレジ機能を無料で使い続けられます
  2. 段階的に機能を追加: 事業成長に合わせて必要な機能を追加
  3. 定期的な見直し: 運用状況に応じてサービスの見直しを実施

POSレジの導入は、単なるレジの置き換えではなく、店舗運営の DX(デジタルトランスフォーメーション)の第一歩です。適切なPOSレジを選択し、店舗の競争力向上を実現しましょう。


関連サービス・お問い合わせ

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