【2分で分かる結論】決済手数料で損しないための選び方
「手数料の高さで利益が削られていませんか?」
キャッシュレス決済端末の導入を検討している事業者様にとって、店舗負担の決済手数料は経営を大きく左右する重要な要素です。実は、サービスによって手数料には最大2倍以上の差があり、選び方次第で年間数十万円のコスト削減が可能です。
この記事で分かること:
- 主要15社の決済手数料を徹底比較
- 業種別の手数料相場と最適なサービス選び
- 初期費用・月額費用を含めた総コスト計算
- 手数料を抑える具体的な方法
1. クレジットカード決済手数料の基本知識
1-1. 店舗負担の決済手数料とは?
クレジットカード決済の加盟店手数料とは、クレジットカード決済を行うたびに発生する店舗側が負担する手数料のことです。手数料率によって店舗が負担する金額が変動し、時には経営に影響するほどの重荷になる可能性もあります。
手数料の計算例:
- 売上100万円 × 手数料3% = 30,000円の負担
- 年間売上1,200万円の場合 = 36万円の手数料負担
1-2. 手数料が発生する理由
クレジットカード決済の手数料は概ね3%程度ですが、業種や店舗規模によっては5%以上かかる場合もあります。手数料が発生する理由は以下の通りです:
- 決済処理システムの運営費用
- 不正利用・未払いリスクの保証
- カード会社への手数料
- 決済ネットワークの維持費用
1-3. 手数料の相場と変動要因
クレジットカード決済の加盟店手数料は2.0〜5.0%が相場です。手数料の相場の幅が広いのは、業種により手数料率が異なるというのが理由になります。
手数料に影響する要因:
- 業種(リスクレベルによる分類)
- 年間決済額
- 店舗規模
- 利用するカードブランド
- 契約する決済代行会社
2. 業種別手数料相場一覧表
2-1. 業種による手数料の違い
業種 | 手数料相場 | リスクレベル |
---|---|---|
小売業 | 2.0~3.5% | 低 |
飲食業 | 3.0~4.0% | 中 |
サービス業 | 3.5~4.5% | 中 |
宿泊業 | 4.0~5.0% | 高 |
医療・美容 | 3.0~4.0% | 中 |
教育・習い事 | 3.5~4.5% | 中~高 |
2-2. 低リスク業種が優遇される理由
小売業が最も手数料が安い理由:
- チャージバック(返品・返金)リスクが低い
- 商品の実在性が明確
- 取引の透明性が高い
2-3. 高リスク業種の注意点
宿泊業や一部サービス業で手数料が高い理由:
- 前払い・予約キャンセルリスク
- サービス提供までの期間が長い
- トラブル発生時の解決の複雑さ
3. 主要決済サービス15社徹底比較
3-1. 手数料比較一覧表
サービス名 | Visa/Mastercard | JCB | AMEX | 初期費用 | 月額費用 |
---|---|---|---|---|---|
stera pack | 1.98%~ | 3.24% | 3.24% | 0円 | 初年度無料 |
Square | 2.5% | 3.25% | 3.25% | 4,980円~ | 0円 |
STORES決済 | 1.98%~ | 3.24% | 3.24% | 0円 | 1,980円 |
Airペイ | 3.24% | 3.24% | 3.74% | 0円 | 0円 |
楽天ペイ | 3.24% | 3.24% | 3.74% | 0円 | 0円 |
PayCAS Mobile | 2.48%~ | 3.24% | 3.24% | 0円 | 1,980円 |
*2025年6月現在の情報。条件により変動する場合があります。
3-2. 最安手数料ランキング
🥇 1位:stera pack(スモールビジネスプラン)
- 手数料:1.98%~
- **特徴:**使用者が多い国際ブランドのVisaとMasterCardの決済手数料が、業界最安水準です。
- 条件:小規模事業者向け(売上条件あり)
🥈 2位:STORES決済(スタンダードプラン)
- 手数料:1.98%~
- 特徴:交通系電子マネーに強み
- 条件:月額1,980円のプラン加入必要
🥉 3位:PayCAS Mobile
- 手数料:2.48%~
- 特徴:年間決済上限額設定あり
- 条件:一定額まで優遇料率適用
3-3. 月額費用無料で選ぶなら
Squareのカード決済手数料が「2.5%」に値下げとなり、さらに月額費用が無料だから、費用が安くお得なスマホ決済会社です。
月額無料のおすすめサービス:
- Square:手数料2.5%、端末代4,980円~
- Airペイ:手数料3.24%、完全無料
- 楽天ペイ:手数料3.24%、完全無料
4. 総コスト比較シミュレーション
4-1. 年間売上別コスト計算
前提条件:
- クレジットカード決済比率:30%
- 主要ブランド:Visa/Mastercard(80%)、JCB(20%)
年間売上500万円の場合
サービス | 年間手数料 | 月額費用 | 端末代 | 年間総コスト |
---|---|---|---|---|
stera pack | 29,700円 | 0円 | 0円 | 29,700円 |
Square | 37,500円 | 0円 | 4,980円 | 42,480円 |
STORES決済 | 29,700円 | 23,760円 | 0円 | 53,460円 |
Airペイ | 48,600円 | 0円 | 0円 | 48,600円 |
年間売上2,000万円の場合
サービス | 年間手数料 | 月額費用 | 端末代 | 年間総コスト |
---|---|---|---|---|
stera pack | 118,800円 | 39,600円 | 0円 | 158,400円 |
Square | 150,000円 | 0円 | 4,980円 | 154,980円 |
STORES決済 | 118,800円 | 23,760円 | 0円 | 142,560円 |
Airペイ | 194,400円 | 0円 | 0円 | 194,400円 |
4-2. 売上規模別おすすめサービス
年間売上500万円未満:
- ✅ stera pack(スモールビジネスプラン)
- ✅ Square(月額無料重視)
年間売上500万円~2,000万円:
- ✅ STORES決済(スタンダードプラン)
- ✅ stera pack
年間売上2,000万円以上:
- ✅ Square(個別交渉可能)
- ✅ 直接契約も検討
5. 決済端末の種類と特徴
5-1. モバイル型決済端末
特徴:
- スマートフォン・タブレットと連携
- 持ち運び可能
- 初期費用が安い
おすすめサービス:
- Square リーダー:4,980円、月額無料
- Airペイ:端末無料レンタル中
- STORES決済:月額1,980円で1.98%
5-2. オールインワン型決済端末
特徴:
- 1台で決済・レシート印刷・POS機能
- 設置型で安定稼働
- 機能が豊富
おすすめサービス:
- stera pack:初期費用無料、業界最安手数料
- Square ターミナル:45,980円、月額無料
- PayCAS Mobile:月額1,980円~
5-3. 2025年3月PINバイパス廃止への対応
PINバイパスは、2025年3月で禁止になります。そのため居酒屋などで、クレジットカードを店員に渡して決済する方式が不可能になるため、居酒屋は決済端末をお客さんの席まで持っていくか、あるいはお客さんをレジまで移動させるしかないのです。
対応が必要な業種:
- 飲食店(特に居酒屋)
- 美容室・理容店
- 医療機関
推奨対策:
- 持ち運び可能な決済端末の導入
- テーブル決済システムの構築
6. 手数料以外で比較すべき重要ポイント
6-1. 入金サイクルと振込手数料
サービス | 入金サイクル | 振込手数料 | 最小入金額 |
---|---|---|---|
Square | 最短翌営業日 | 0円 | 1円~ |
stera pack | 最短2営業日後 | 3万円未満220円 | 1円~ |
Airペイ | 月最大6回 | 0円 | 1円~ |
楽天ペイ | 翌営業日 | 330円 | 1円~ |
6-2. 対応決済ブランド数
主要サービスの対応状況:
サービス | クレカ | 電子マネー | QRコード | 合計 |
---|---|---|---|---|
Airペイ | 7ブランド | 9種類 | 30種類以上 | 70種類以上 |
stera pack | 6ブランド | 7種類 | 17種類 | 30種類 |
Square | 6ブランド | 3種類 | 6種類 | 15種類 |
6-3. 導入スピード
最短導入期間:
- Square:最短当日
- STORES決済:最短3営業日
- Airペイ:1週間程度
- stera pack:2週間程度
7. 決済手数料を抑える5つの戦略
7-1. 売上規模による料率交渉
年間決済額が年間3,000万円以上なら手数料がさらに安くなる?!キャッシュレス決済額は売上規模に比例して増加するため、売上高が大きい事業者様は、アカウント作成後に問い合わせフォームから連絡してみることをおすすめします。
交渉のポイント:
- 年間決済額の実績提示
- 他社との相見積もり
- 継続利用の意思表示
7-2. 複数決済の使い分け
効果的な使い分け例:
- 高額商品:手数料の安いサービス
- 少額商品:QRコード決済(手数料無料期間活用)
- 日常商品:電子マネー(手数料中程度)
7-3. キャンペーン活用
定期的に実施されるキャンペーン:
- 新規加盟店手数料無料期間
- 端末費用無料キャンペーン
- 月額費用割引
7-4. 補助金・助成金の活用
キャッシュレス決済端末の導入には、国や自治体が提供する補助金や助成金を活用することで、初期費用を抑えることが可能です。
主な支援制度:
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金
- 自治体独自の支援制度
7-5. POSレジ連携によるコスト削減
POSレジ連携のメリット:
- 売上管理の自動化
- 在庫管理との連携
- 人件費削減効果
8. 業種別おすすめサービス選定ガイド
8-1. 小売業(低リスク業種)
最適なサービス:
- stera pack(スモールビジネスプラン)
- 手数料:1.98%~
- 理由:最安手数料、小売業に最適
- STORES決済(スタンダードプラン)
- 手数料:1.98%~
- 理由:電子マネーに強み
8-2. 飲食業
最適なサービス:
- Square
- 手数料:2.5%
- 理由:持ち運び端末、PINバイパス対応
- Airペイ
- 手数料:3.24%
- 理由:多様な決済、無料導入
8-3. サービス業・美容業
最適なサービス:
- PayCAS Mobile
- 手数料:2.48%~
- 理由:サービス業に特化
- stera pack
- 手数料:1.98%~(条件満たす場合)
- 理由:総合的にバランス良い
8-4. 移動販売・イベント出店
最適なサービス:
- Square リーダー
- モバイル特化、4G対応可能
- 手数料:2.5%
- Airペイ(モバイル)
- 多様な決済対応
- 完全無料導入
9. 導入時の注意点とトラブル回避
9-1. 契約条件の確認ポイント
必須チェック項目:
- ✅ 最低契約期間
- ✅ 解約時の違約金
- ✅ 手数料変更条件
- ✅ 売上入金条件
9-2. 消費税の取り扱い
クレジットカード決済の手数料には消費税はかかりません。これは、クレジットカード決済の手数料が「非課税取引」に該当するためです。
9-3. 手数料の顧客転嫁禁止
クレジットカード決済の手数料を直接お客様に転嫁すること、つまり手数料分をお会計に上乗せすることは、原則として認められていません。これは、クレジットカード会社との加盟店契約で明確に禁止されています。
禁止事項:
- 現金価格とカード価格の差別化
- 手数料の上乗せ請求
- カード利用への追加料金
10. 2025年のキャッシュレス動向と将来性
10-1. 市場規模の拡大
政府はキャッシュレス化の方針と実効策として、2025年までに40%がキャッシュレス化を実現し、将来的には80%を目指すという目標をたてているのです。
成長要因:
- 政府のキャッシュレス推進政策
- インバウンド需要の回復
- デジタルネイティブ世代の拡大
10-2. 人手不足解決への貢献
あらゆる業種で人手不足が大きな問題となっており、各社とも解決が急がれますが、このような人手不足問題を解決するための方策のひとつに「キャッシュレス決済の導入」が挙げられます。
業務効率化効果:
- 釣り銭の用意が不要
- 迅速な決済完了
- 売上集計の自動化
- 現金管理コストの削減
10-3. インバウンド需要への対応
2025年4月の訪日外国人数は390万人を超え、前年同月比では28.5%増となり、過去最高であって2025年1月の370万人を上回り、単月過去最高を記録しました。
対応必須事項:
- 多言語表示対応
- 海外カードブランド対応
- 非接触決済の導入
まとめ:失敗しない決済サービス選びの鉄則
最重要チェックポイント
- 総コストで比較する
- 手数料だけでなく、月額費用・端末代・振込手数料を含めて計算
- 自店舗の特性に合わせる
- 業種・売上規模・利用場面に最適化されたサービスを選択
- 将来性を考慮する
- 事業拡大時の料率変更・機能追加の可能性
- サポート体制を確認
- 導入支援・運用サポート・トラブル対応の質
売上規模別おすすめ結論
年間売上1,000万円未満: → stera pack(スモールビジネスプラン) または Square
年間売上1,000万円~3,000万円: → STORES決済(スタンダードプラン) または PayCAS Mobile
年間売上3,000万円以上: → Square(個別交渉) または 直接契約の検討
今すぐ始められるアクション
- 現在の決済手数料を計算する
- 年間総コストをシミュレーションする
- 複数社に見積もりを依頼する
- 実際の端末を体験してみる
キャッシュレス決済の導入は、もはや選択ではなく必須の時代です。適切なサービス選択により、手数料負担を最小限に抑えながら、売上向上と業務効率化を同時に実現しましょう。
注意事項:
- 掲載している手数料・条件は2025年6月時点の情報です
- 実際の契約条件は各社に直接確認してください
- 業種・売上規模により条件が変更される場合があります