はじめに:SquareでPayPayが使える!キャッシュレス決済の新常識
キャッシュレス決済の普及が加速する中、Square(スクエア)が2022年8月からPayPay決済に対応し、さらに2024年9月には7種類のQRコード決済に対応を拡大しました。現在では約2.5人に1人がPayPayを利用している状況で、店舗にとってPayPay対応は必須となっています。
この記事では、キャッシュレス決済端末を検討している事業者向けに、SquareでPayPay決済を導入する方法、手数料、メリット・デメリット、競合サービスとの比較まで詳しく解説します。
この記事でわかること
- SquareでPayPay決済を導入する具体的な手順
- 決済手数料の詳細比較と最適な選択方法
- 直接契約との違いとメリット・デメリット
- 導入時の注意点と解決策
- 他社決済サービスとの徹底比較
1. SquareのPayPay決済とは?基本情報を理解する
PayPay決済の現状と重要性
PayPayの登録ユーザー数は6,800万人を突破し(2025年3月時点)、日本国内で最も利用されているQRコード決済サービスです。約2.5人に1人が登録していると言われ、PayPayが使える店舗かどうかで来店を決めるお客様もいるくらいです。
SquareでPayPay決済を利用する仕組み
SquareでPayPay決済時には、ディスプレイにQRコードが表示され、お客様がこのQRコードをスキャンして決済します。このQRコードは会計ごとに生成されるため、印刷して利用することはできません。
決済の流れ
- Square POSレジアプリでPayPayを選択
- 会計金額を入力
- 動的QRコードが画面に表示
- お客様がスマホでQRコードを読み取り
- 金額が自動入力され決済完了
お客様がQRコードを読み取ると、会計金額が自動的に反映され、お客様側で金額を入力する必要がありません。お客様に金額を入力していただく手間や入力ミスを未然に防げるので、スムーズな決済処理が可能です。
2. SquareでPayPay決済を導入するメリット
2.1 統一管理による運用効率化
PayPay直接契約だとSquare・PayPayをそれぞれ独立管理、入金スケジュールもバラバラでちょっと面倒です。対して、SquareでPayPay決済すれば”Square決済手段のひとつ”として統一管理ができシンプル。入金もカード決済分と合算で入ってきますから分かりやすいですね。
統一管理のメリット
- 売上データの一元管理
- 入金スケジュールの統一
- レポート機能での分析効率化
- 複数決済手段の同時導入
2.2 業界最速水準の入金サイクル
Squareなら決済金額に関わらず、最短翌営業日(三井住友銀行およびみずほ銀行に振込の場合)で手数料無料で入金されるため、資金繰りに余裕がない個人事業主などの小規模事業者にもおすすめです。
入金サイクル比較表
決済サービス | 入金サイクル | 振込手数料 |
---|---|---|
Square | 最短翌営業日 | 無料 |
PayPay直接契約 | 月末締め翌日〜 | 月1回無料 |
Airペイ | 月3回または6回 | 無料 |
STORES決済 | 手動入金で1〜2営業日 | 有料 |
2.3 操作の簡便性
Squareの場合、タブレットもしくはスマートフォンで決済をするため、レジ横に卓上スタンドやバーコードスキャナを置いておく必要がないために、レジ周りがスッキリとします。
3. 決済手数料の詳細比較
3.1 SquareでPayPay決済時の手数料
Squareを通じてPayPayを利用する場合、決済手数料は3.25%です。これに対して、PayPay直接契約の場合は以下の料金体系となっています。
3.2 PayPay直接契約の手数料
PayPayの決済手数料は1.6%または1.98%で、どちらが適用されるかはプランによって異なります。手数料率を1.6%(税別)に抑えるには、利用する全ての実店舗で月額1,980円(税別)の「PayPayマイストア ライトプラン」に加入する必要があります。
PayPay料金プラン比較
プラン | 決済手数料 | 月額費用 | 利用可能機能 |
---|---|---|---|
ライトプラン | 1.60% | 1,980円/店舗 | クーポン、スタンプカード等 |
制限プラン | 1.98% | 無料 | 基本決済機能のみ |
3.3 手数料負担の実例計算
月間決済額10万円の場合
- Square経由:3,250円
- PayPay制限プラン:1,980円
- PayPayライトプラン:1,600円+月額1,980円=3,580円
PayPay売上が10万であれば、Square経由でPayPayをご利用すると1,072円程高くなりますが、その分【入金サイクルの頻度】【管理が1本化】等を踏まえると仕方ない部分でもございます。
3.4 損益分岐点の考え方
月額費用を考慮した損益分岐点は以下の通りです:
PayPayライトプランが有利になる月間決済額
- 手数料差:3.25% – 1.60% = 1.65%
- 月額費用:1,980円
- 損益分岐点:1,980円 ÷ 1.65% = 120,000円
月間PayPay決済額が12万円を超える場合は、PayPay直接契約のライトプランが経済的に有利になります。
4. SquareでPayPay決済を導入する手順
4.1 事前準備
導入には以下の準備が必要です:
- Squareアカウントの作成(無料)
- 事業者情報の準備
- 事業者登録書類
- 銀行口座情報
- 本人確認書類
- 決済端末の選択(オプション)
4.2 申込手順
Squareで導入できるPayPayは対面決済専用ですので、他のSquareの対面決済と同じ決済手数料となっています。申し込みは最大で15-30日かかります。審査結果は、通知メールにてお知らせしますが、Square データから確認することもできます。
具体的な申込手順
- Square公式サイトから無料アカウント作成
- 基本情報の入力
- 事業者名
- 連絡先情報
- 銀行口座情報
- Square審査の完了(最短15分)
- PayPay有効化申請
- Square管理画面から「有効化する」をクリック
- PayPay審査開始(15-30日)
- 審査完了・利用開始
4.3 必要な端末・機器
SquareはiOSやAndroidなどの既存のスマホやタブレット端末で利用可能です。すでに持っている端末をそのまま決済端末として使用できるため、決済手数料以外に余計なコストがかかりません。
Square端末の種類と価格
端末名 | 価格 | 特徴 |
---|---|---|
スマホでタッチ決済 | 無料 | 専用端末不要 |
Square Reader | 4,980円 | 最もコンパクト |
Square Terminal | 39,980円 | オールインワン |
Square Stand | 23,980円 | iPad専用スタンド |
Square Register | 詳細要問合せ | 最新の高機能端末 |
5. SquareでPayPay決済を利用する際の注意点
5.1 対応できない決済方式
SquareのPayPay決済は、お客様がQRコードを読み取る「ユーザースキャン方式」です。PayPay公式サイトから直接契約した場合に発行されるQRコードと同じく、お客様に読み取ってもらいます。
利用できない決済方式
- ストアスキャン方式(店舗側がお客様のコードを読み取る)
- 印刷したQRコードでの決済
- バーコードリーダーを使った決済
5.2 対応範囲の制限
SquareのPayPay決済は対面取引に限定です。ネットショップや電子請求書発行などのオンライン決済では、PayPayを利用することはできません。
5.3 審査期間と導入スピード
PayPayを直接契約する場合は最短7日で導入できることを考えると、多少時間がかかります。急いでPayPayを導入したい場合は、直接契約を検討するのも一つの方法です。
6. 他社決済サービスとの徹底比較
6.1 主要決済サービス比較表
サービス | 初期費用 | 決済手数料 | PayPay対応 | 入金サイクル | その他QR決済 |
---|---|---|---|---|---|
Square | 0円〜 | 3.25% | ○ | 最短翌営業日 | 6種類 |
Airペイ | 0円 | 3.24% | ○ | 月3-6回 | 30種類以上 |
STORES決済 | 0円 | 3.24% | × | 手動1-2営業日 | WeChat Payのみ |
楽天ペイ | 0円 | 3.24% | × | 翌日〜 | 楽天ペイのみ |
6.2 QRコード決済対応数の比較
スクエア(Square)は2022年の8月にPayPay決済対応、さらに2024年9月25日に全部で7種類のQRコード決済に対応したよ。
Square対応QRコード決済
- PayPay
- 楽天ペイ
- d払い
- au PAY
- メルペイ
- WeChat Pay
- Alipay+
AirPAYの最大の特徴ともいえるのが、対応ブランド数の多さです。VISAをはじめ、Mastercard、JCBなどのクレジットカードはもちろん、交通系を含む電子マネーを合わせると、計35種類(2021年5月現在)が利用できます。
6.3 入金サイクルでの優位性
Squareは、三井住友銀行・みずほ銀行であれば翌営業日に入金され、入金手数料もかかりません。資金操りが困難な企業にとってはありがたいサービスですね。これは、他のモバイル決済にはないSquareならではのメリットです。
7. 各決済サービスの選び方
7.1 Square向きの事業者
以下の条件に当てはまる場合はSquareがおすすめです:
資金繰りを重視する場合
- 最短翌営業日入金が必要
- 振込手数料を抑えたい
- 売上管理を一元化したい
操作性を重視する場合
- レジ周りをスッキリさせたい
- 既存のスマホ・タブレットを活用したい
- ITに詳しくない従業員でも使いやすい
7.2 PayPay直接契約向きの事業者
以下の場合はPayPay直接契約が有利です:
コスト最優先の場合
- 月間PayPay決済額が12万円以上
- 決済手数料を最低限に抑えたい
- PayPayクーポン機能を活用したい
7.3 Airペイ向きの事業者
以下の場合はAirペイが最適です:
多様な決済手段が必要な場合
- インバウンド顧客が多い
- 中国・韓国系決済に対応したい
- 交通系電子マネー利用が多い
8. 導入成功のためのポイント
8.1 段階的な導入戦略
- 第1段階:Square単体導入
- まずは主要決済手段(クレジットカード・PayPay)で開始
- 運用に慣れながら効果を測定
- 第2段階:決済手段の拡充
- 顧客ニーズに応じて電子マネーを追加
- QRコード決済の種類を増加
- 第3段階:最適化
- 利用データを分析し、必要に応じて他社サービス併用を検討
8.2 運用時の注意点
スタッフ教育
- 各決済方法の操作手順を周知
- トラブル時の対応方法を事前準備
- 顧客への案内方法を統一
セキュリティ対策
- 定期的なアプリ更新
- 端末の適切な管理
- 決済データの保護
9. 業界動向と将来性
9.1 キャッシュレス決済市場の成長
2023年のNIRA(総合研究開発機構)の調査によると、「できるだけQRコード決済(スマホ決済)で支払いたい」と回答した人が25%にのぼり、これは「現金で支払いたい」と回答した19%を上回っています。
9.2 PayPay市場シェアの安定性
PayPayの副社長の発言から決済手数料を収益源とするビジネスモデルは採らないことを示しています。むしろ、その他の方法でのマネタイズを模索していることから、決済手数料を引き上げる動きは見られないでしょう。
9.3 Squareの機能拡張
Squareは決済機能だけでなく、以下の総合的なビジネスソリューションを提供:
- POSレジ機能:在庫管理・顧客管理
- オンライン販売:ECサイト構築
- 予約システム:サービス業向け機能
- 請求書機能:継続課金・分割払い
10. まとめ:SquareでPayPay決済導入の判断基準
最適な選択をするための判断フローチャート
Step 1: 月間PayPay決済予想額を算出
- 12万円未満 → Square検討
- 12万円以上 → PayPay直接契約も検討
Step 2: 重視するポイントを明確化
- 入金スピード重視 → Square有利
- コスト最優先 → PayPay直接契約検討
- 管理の簡易性重視 → Square有利
Step 3: 事業規模・業種での判断
- 個人事業主・小規模店舗 → Square推奨
- 中規模以上・複数店舗 → 個別検討要
結論
知れば知るほど選ぶのが難しく感じてしまうキャッシュレス決済サービスですが、私のような小さなお店の方には、アカウントひとつで多機能なサービスを利用できるSquareがイチオシです。
SquareでPayPay決済を導入することで、以下のメリットを享受できます:
- 業界最速水準の入金サイクルで資金繰り改善
- 統一管理による運用効率化
- 初期費用抑制でリスク最小化
- 段階的拡張による柔軟な成長対応
一方で、月間PayPay決済額が大きい場合や、PayPay特有の集客機能を重視する場合は、直接契約も検討する価値があります。
最終的には、自店舗の売上規模、顧客層、運営方針を総合的に考慮し、最適な決済ソリューションを選択することが重要です。まずはSquareの無料アカウント作成から始めて、実際の運用を通じて最適解を見つけていくことをお勧めします。
次のステップ
- Square無料アカウント作成
- 事業計画との照合
- 段階的導入の実施
- 効果測定と最適化
この記事が、あなたの店舗に最適なキャッシュレス決済導入の判断材料となれば幸いです。